Sexy Zone「いつまでもいつまでも」のキミと僕の話
どんな意図があってどんな想いでこうなったのか、相変わらず知る由もありません。でも、みなさんそう思っているように…どーーーーしてもSexy Zone、6枚目のオリジナルアルバム『PAGES』収録の「いつまでもいつまでも」の歌詞からはいろんなことが感じ取れてしまいまして…。
何と言っても作詞されているのが「With you」のケリーさんです。いてもたってもいられずブログを書いています。
まずはじめに、「いつまでもいつまでも」はメンバーの誰もこの曲について具体的なことは一切言っていないかと思いますし、多くの人が共感できて多くの人に届くピュアな応援歌として紹介されていることが前提になります。
そんな彼らの姿勢が私は大好きですし、だからこそ裏テーマじゃないですけど…わざわざ深読みする必要もないんじゃないかと思って試聴できるようなった時から特に触れてはきませんでした。
でも、フルで聞いたらどうしたって大切な大切な家族のようなメンバー間のメッセージでもあるんだろうな、と。
彼らが何も言わないからこそ、自由に受け取らせてもらおうと思った次第です。
もしよかったらお付き合いください。
- キミ=僕、キミ≠僕
- ユメとか胸の内をひたすら描いたノート
- “どこか”=心開いた未来=ここ
- あのとき胸の内と、幸せだよって胸を張って言える今
- キミはキミだよ そうでしょ
- ゴミ箱に投げつけた想いたち
- 僕がキミの想いもユメも連れてくから
キミ=僕、キミ≠僕
そもそもですが、この曲に2面性を感じたのがきっかけでした。
1つは、「幼さ残る僕=キミ」であって、「未来の僕=僕」。大前提として同一人物「キミ=僕」として受け取れると思うんです。
それは、“未来の僕から一言”という歌詞の通り、大人になった僕が幼くてもがいていたあの日の僕(キミ)に宛てたメッセージという大きな軸がある曲だと読めるからです。
そして、もう1つ。「キミ」は「僕」にとって大切な誰か。キミと僕を別人「キミ≠僕」として切り離して考えることもできるのではないかと。きっとこの解釈が自然と読み取れるから、Sexy Zoneとしてのメッセージ性を強く感じるんだと思います。
では、その前提で1番から紐解いていきたいと思います。
ユメとか胸の内をひたすら描いたノート
まず、この曲の歌詞はこのユメや胸の内が書かれている「ノート」に尽きると思います。
世界観がワープするのですが……イメージするならイノセントデイズのMVに出てくるあの机の上のノート。きっといろいろあって「もうどこかへ行きたい」って下を向いていたあの日の想いが、くしゃくしゃなページとして残っていたんだと思います。
そして未来を生きる今の僕がノートをめくって、そのくしゃくしゃなページにこう記します。
“ひとりじゃないことだけは忘れるな”
今は、自分のこと以上に泣いて笑ってくれる大事な仲間と出会っている。だから、下ばかり向いていないで顔を上げてごらん。
そんな未来への希望で背中を押してくれる1番。もちろん誰にでも心当たりがあったり、これから心当たりが生まれてきたりするようなフレーズではありませんか??
そして、キミと僕を切り離して考えたときに歌割もなかなかくるものが、、、
そのもう1つの解釈で際立つのが、歌っているメンバーからキミへの言葉たちです。
まだ幼さ残る僕(キミ)のことを思い出してつぶやくように「ユメや胸の内をひたすらノートに描いてたっけ」なんてやさしく問いかけている健人くん。最年長としてメンバーのことをよーく見てきたことが伝わるフレーズではないですか…?
くしゃくしゃになったノートの皺を丁寧に伸ばすのは勝利くん。いつも真ん中でグループのことを見てきたからこそ、そっと手を差し伸べたり声をかける彼らしいパートではないでしょうか。
そしてマリウスくんは“ひとりじゃないことだけは忘れるな”。唯一無二の存在であるマリちゃんが喝をいれるように歌っていることに、どうしてもグッときてしまいます。
最後は風磨くん。なかなか腹を括れなかった風磨くんが“今は大事な仲間と出会っている”ことを歌っているんですよ…。そして、“僕より僕のために泣いて笑ってくれる大事な仲間”の中にキミがいるのも明白ではないでしょうか。
この説得力………どうしたって歌割りの意図も深読みしてしまいます…。
“どこか”=心開いた未来=ここ
そして、1番サビ。ノートのページに書いてあったことの答え合わせであり、決意表明のような印象を受けました。
顔を上げたときにあと少しで見えるのは一筋の光。その時立っているのは、もうすぐ夜が明けて晴れた空を見ることができる場所です。
それがどこかと言えば、心を開いてありのままでいられるときに見える未来のこと。
ノートをくしゃくしゃにしたときに探していた“どこか”には、まだ知らない自由や愛があることを未来の僕は知っている。だから、涙を拭いて、心開いた未来へおいで、と呼び寄せているんだと思います。
そうすれば未来の僕がキミのユメと一緒にいつまでも生きていけるからと、あの時のユメをもう一度見てみようと決意表明のパートだと受け取りました。
続いてもう1つの解釈。僕とキミを切り離したときに見えてくるのは、Sexy Zoneという場所です。
僕とキミをそれぞれ置き換えると、「心開いた未来には、キミがまだ知らない自由や愛があるんだよ」「どんなキミも僕は受け止めるから、ひとりじゃないことを信じて“ここ”に戻って来ていいんだよ」というメッセージにも聞こえませんか…?
そして、これからずっとキミはひとりで想いを抱える必要はなくて、「キミのユメも乗せてみんなで一緒に未来へ行こう」と、そんな決意表明のようにも受け取れるような気がします。
誤解のないように言うと、Sexy Zoneは『MORE』4月号のインタビューで、「話し合いを積み重ねてきたからこその“今”」という話をしています。5人の関係性を見ていても、どう考えても信頼しあっていますし、だから決して今まで心を開く機会が足りなかったわけではないと思うんです。
でも、健人くんが「わかりあえていると感じていても過信しすぎてはいけない」と語っているように、過去も今もこれからも、あえて踏み込まなきゃいけないことは多々あるはず。
ただ、例えば自分に自信がないときは、その“あえて”に戸惑いが出るものではないでしょうか。そんな時に相手が歩み寄って手を差し伸べてくれれば1歩踏み出せるものだと思うんです。その状況でこそ発揮される決意ではないかな、と思った次第です。
あのとき胸の内と、幸せだよって胸を張って言える今
そして2番。Aメロはきっとあの時の胸の内の話。
おとなになることに戸惑いながらも子ども扱いされて反発したり、自分が何者かわからなくて明日が来ないでほしいと思うほどもがいたり。きっと誰にでも心当たりがある日々だと思います。
そしてBメロはいつのまにか大人になって、気づいたらいる今の場所。
もちろん今まで幸せなことばかりではありませんでした。それでも、今は胸を張って幸せだって言えるんです。それは振り返った時に思い出せる日々があるからです。
未来の僕は、あの時の僕のもがいた日々に理解を示しながら、その日々がいつか胸を張って幸せだって言えるパズルのピースになるよ、だから大丈夫だよって語りかけているんだろうな、と思います。未来の自分が今の自分を肯定してくれるってすこぶる心強くないですか…?
そして、もう1つの解釈。これも歌割りに意図があるのでは?なんて思ってしまいます。
最年少でかつ、まだ言葉がわからないときは思うように伝えられなかったマリウスくんの歌う“おとなになりたくない”と“子ども扱いするな”の葛藤。
そして、つい数年前はサイズの合わない靴と言いますか、どうしてもグループがしっくりきていないような感じがあった風磨くんの「靴ずれ」感です。
さらに、メンバーの中で唯一アイドル志望じゃないままジャニーズに入った勝利くんの「気づけばここにいた」。もちろんいろいろ考えて悩んで選択してきたからこそ“ここ”にいることは明白ですが、一番説得力を感じました。
また、Sexy Zoneのフロントマンとしてずっとずっと全力疾走してきた健人くん。真正面から逆風を受けてきたこともあったと思うんです。苦労が美徳かと言うとそれもなんとも言えないですが……一生懸命な姿をずっと見せ続けてきてくれたことは事実。振り返る日々が健人くんの自信になっているとしたら、今、感じる幸せに嘘はないはずです。
キミはキミだよ そうでしょ
そして2番サビ。未来の僕は、2番のAメロ〜Bメロの悩んだ日々もちゃんと幸せになっていることを受けて、「そのままでいい」と語りかけます。それはなぜかと言うと、今は喜怒哀楽をありのままの僕で生きていられているから。強がりでも不器用でも、そのまま前を向いてキミらしく大人になればいい。人生というノートの新しいページが、そうやって彩られてきたことを知っている今の僕が贈る最大限のエールではないでしょうか。
そして、もう1つの解釈。
4人が2番のAメロやBメロで歌ってきたのは各々の喜怒哀楽でした。そのみんなのピュアな声があってこそ、心開いた未来を表現できているのではないでしょうか。
つまり、僕自身がありのままをさらけ出していれば、キミにも「何者にもならなくていい」「キミはキミだよ そうでしょ」と心から言えるのではないかな、と思うんです。
だって、自分が心を開いていないのに、相手にばかり心開こうよと言ってもきっと響かないはずですから。
どことなくそれぞれに重なるような“心から歌える”AメロBメロの後に2番のサビを聴くと、決して無理やり手を引く訳でもなく、手も差し出さずに口だけで諭すのでもなく、手を背中にそっと添えて隣に立っているのではないかなぁなんて。そして「強がりだって 不器用すぎたって そのままでいいさ」と前を向いて歩きだすような、そんな5人の姿が浮かぶような気がします。
そして昨年のrepainting Tourのオブジェのように、それぞれの色で彩りながらいつまでもいつもでも未来が続いていくんだろうなぁ…。5人が並んで歩く背中も見えるような気がします。
ゴミ箱に投げつけた想いたち
続いてCメロ。
くしゃくしゃになったノートのページは、どちらかと言うともがきながらもなんとか奮闘してきた日々の印象でしたが、時に破いて丸めてゴミ箱に投げてしまうほど、自暴自棄になりそうな困難だってあったはずです。
それすらも拾い上げて抱きしめてくれるのがこのパート。
自分の中の捨ててしまいたいような過去も人生の大切な1ページだから、拾って抱きしめて進んでみようよと未来の自分が言ってくれているのではないでしょうか。まさに人生の肯定だと思います。
そして、ここでももう1つの解釈。僕を含め、キミには大事な仲間がいることを忘れてはいけません。
きっと僕や仲間たちは、自分のくしゃくしゃに破いて捨てたページと同じように、キミがゴミ箱に投げた想いたちも拾い上げて、胸の中で抱きしめて分かち合ってくれるほどの存在なはずです。自分のこと以上に泣いて笑ってくれる大事な仲間です。もうキミが自分だけで背負って蓋を閉めてしまう必要はないよ、そんな声も行間から聞こえてくるような気がします。
僕がキミの想いもユメも連れてくから
そして大サビ。歌詞は1番と同じですが、改めて最後に1番と同じ歌詞があるのはとっても心強く感じました。
と言うのも、「キミ=僕」「キミ≠僕」どちらの解釈もこのサビのパートは“決意表明”と表現しました。Cメロで今までになく強烈でネガティブな想いすらも触れた後、もう一度“決意表明”があるからこそこの曲の説得力なのではないかと思います。
マリちゃんがケンティー編集の会報で「ひとつひとつの言葉がこのアルバムを綺麗にまとめている」と表現したことに大納得のフィナーレではないでしょうか。
と言うわけで、相変わらず勝手な妄想を並べただけの歌詞考察でした。
作詞されたケリーさんの気持ちは計り知れませんし、実際どのタイミングでどう出来上がった曲なのかは全く分かりませんが、Sexy Zoneにこんなにやさしい曲が提供されるのは、ひとえに彼らの人間性あってこそなんだと思います。なんというか……Sexy Zoneって本当に素敵なグループですね……。
そして、ここから先は余談なのですが…(気分悪くなったらごめんなさい)
以前、雑談の中で「聡くんがいないことになっててかわいそう」と言われてしなったことがありまして…。「そうか世間的にはそう見えてしまうこともあるのか…」とずっと引っかかっていました。
でもSexy Zoneは聡ちゃんのお休みのことについて極端に触れないわけではないですし、ごくごく自然に聡ちゃんの名前が出てきたりしていますよね。
かといってそれをメインで話題を作ることは絶対にありません。だからこそ世間一般的に「いないことにされてる」印象になっているのかもしれません。でも、それは気兼ねなく自然に戻れる場所を守るために、聡ちゃんを悪目立ちさせたくない4人のやさしさあってこそだと思うんです。
事あるごとにさりげなく緑が入っていたり、この「いつまでもいつまでも」に関しても、ファンの誰もが何かを感じ取る曲にもかかわらずメンバーは明言していません。
もちろん、どんな逆境も話題性に変換するのは、弱肉強食な芸能界を生き延びていく術としてすこぶる正しいことだと思うんです。でも、様々な選択肢がある中で、4人で容赦なく前に進むことを決めたんだろうなと。そこから感じるのは愛ある覚悟ではないですか?
なぜなら、これからもしも「あの時ああしていればよかった」なんて思うことがあったら、4人は絶対に聡ちゃんのお休みを理由にできないと思うんです。だからこそ、そうならないためにも容赦なく前に進む道を選んでいるのではないでしょうか。4人でできることはなんでもやる。その結果が、きっと5人分になるのだと思います。
「いないことになっててかわいそう」? 全くそんなことないですよね。
とってもとっても強いやさしさと、大きな大きな愛があるグループだと私は思います
ツアー目前…4人のステージに何を思うかは人それぞれです。私は私なりに4人が作る5人分のパフォーマンスを見ていきたいと思います。